学経営者の不祥事がニュースを賑わし,大学構成員の意向を無視した学長選考が行われている.その上,国立大学の法人化や教育基本法の改定,政府主導の大学改革などで大学の教職員は疲弊している.世界大学ランキングで,日本の大学はアジアの中でも評価が高くないのもうなずける.
本特集では,大学の役割から大学のあり方を問うことを主題にして,論文で構成した.現代の大学をめぐる問題は山積している.今回はそのどれかに焦点化せず,多岐にわたってそれぞれの立場から論じてもらった.
(「まえがき」より)
特集 大学論
まえがき 大竹美登利
言葉の玉手箱 山口裕之,佐々木弾,丹羽 徹,中富公一,重本直利
第2次安倍政権以降の大学政策と憲法
──国立大学法人を中心に 中富公一
大学ガバナンス評価の矛盾
──学問の自由とガバナンス形態 重本直利
政府主導による医療系大学の教育統制 青木武生
私立大学の管理運営と学校法人 丹羽 徹
企業体(リヴァイアサン)としての大学・研究機関
──科学と社会への関係性と距離感 佐々木 彈
21世紀の大学の在り方
──おもろいことに没頭する人が集う場所に 山口裕之
国立大学改革と労働組合の役割
──「大学の自治」の再構築のために 岡田健一郎
【談話室】
コロナウイルス禍で浮き彫りになった「シフト制労働者の補償なし休業」
─特に大きなしわ寄せを受けた女性労働者たち 増田麻衣子
【ひろば】
大学ファンドがもたらすもの 光本 滋
庶民に浸透していく道徳的心情 安井 勝
【本】
樋口英明 著
『私が原発を止めた理由』 西山 豊
〈読者の声〉
〈科学者つうしん〉
〈編集後記〉(小金澤鋼一)
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