一俵でも禄高が減れば旗本に格下げになるという、ぎりぎり一万石の小大名・下総高岡藩に婿入りした尾張徳川家一門の井上(竹腰)正紀、妻・京、義父(当主)・正国、義母・和、家臣、領民の苦悩と苦闘を描くシリーズ第14弾。 * 松平定信が発布した棄捐の令に歓喜の声を上げる旗本、御家人だったが、その喜びも長くは続かなかった。大損害を被った札差はじめ、商人が武士に対する貸し渋りをはじめたのだった。高岡河岸に新たな納屋を建てるべく金を借りた正紀だったが。。。 * 史実である棄捐の令に絡めた現実味があるストーリー展開に納得、借金苦、災害苦などに腐心する正紀の苦悩を察しますね。 ----- ■寛政の棄損令は史実(ウィキペディアより) 寛政元年(1789年)に、時の老中松平定信が寛政の改革の一環として発令したのが最初であり、「天明4年(1784年)以前の借金は債務免除とし、それ以後のものは利子を下げ。。。」という法令。 この時の棄捐(借金の棒引き)総額は、札差88人から届け出のあった額の合計で、金118万7808両3歩と銀14匁6分5厘4毛に達し、1軒平均1万3500両ほどとなる。これは幕府の年間支出とほぼ同額だったと言われている。 棄捐令が発布された当初は、札差から借金をしていた旗本・御家人や徳川御三家・御三卿付きの武士は大いに喜び、松平定信への感謝で湧きかえっていたと水野為長の日記に記されている。しかし、さらなる借金が出来なくなったことで再び生活に困り始めた旗本・御家人たちの不満が、年末が近づき物入りが多くなってくるにしたがって増大し、それに伴い棄捐令に対する不平が募ってきた。中には、追剥や盗人になる下級の御家人まで現れた。 ■本書の基本情報 ・筆者:千野隆司(チノ タカシ) ・略歴:1951東京生まれ。國學院大學文学部文学科卒。出版社勤務を経て、'90年「夜の道行」で第12回小説推理新人賞を受賞。時代物シリーズを始めとする著書多数。 ・出版:双葉社 ・発売:2020年7月 ・ページ数:262p ■これまでに購読した千野隆司の著書 ・「出世侍」(全5巻) ・「おれは一万石」…第12巻まで(本書) ----- ◆AFP情報 … ジャンル:本・雑誌・コミック、料率:3%
レビュー(4件)
借金苦、災害苦などに腐心する正紀
一俵でも禄高が減れば旗本に格下げになるという、ぎりぎり一万石の小大名・下総高岡藩に婿入りした尾張徳川家一門の井上(竹腰)正紀、妻・京、義父(当主)・正国、義母・和、家臣、領民の苦悩と苦闘を描くシリーズ第14弾。 * 松平定信が発布した棄捐の令に歓喜の声を上げる旗本、御家人だったが、その喜びも長くは続かなかった。大損害を被った札差はじめ、商人が武士に対する貸し渋りをはじめたのだった。高岡河岸に新たな納屋を建てるべく金を借りた正紀だったが。。。 * 史実である棄捐の令に絡めた現実味があるストーリー展開に納得、借金苦、災害苦などに腐心する正紀の苦悩を察しますね。 ----- ■寛政の棄損令は史実(ウィキペディアより) 寛政元年(1789年)に、時の老中松平定信が寛政の改革の一環として発令したのが最初であり、「天明4年(1784年)以前の借金は債務免除とし、それ以後のものは利子を下げ。。。」という法令。 この時の棄捐(借金の棒引き)総額は、札差88人から届け出のあった額の合計で、金118万7808両3歩と銀14匁6分5厘4毛に達し、1軒平均1万3500両ほどとなる。これは幕府の年間支出とほぼ同額だったと言われている。 棄捐令が発布された当初は、札差から借金をしていた旗本・御家人や徳川御三家・御三卿付きの武士は大いに喜び、松平定信への感謝で湧きかえっていたと水野為長の日記に記されている。しかし、さらなる借金が出来なくなったことで再び生活に困り始めた旗本・御家人たちの不満が、年末が近づき物入りが多くなってくるにしたがって増大し、それに伴い棄捐令に対する不平が募ってきた。中には、追剥や盗人になる下級の御家人まで現れた。 ■本書の基本情報 ・筆者:千野隆司(チノ タカシ) ・略歴:1951東京生まれ。國學院大學文学部文学科卒。出版社勤務を経て、'90年「夜の道行」で第12回小説推理新人賞を受賞。時代物シリーズを始めとする著書多数。 ・出版:双葉社 ・発売:2020年7月 ・ページ数:262p ■これまでに購読した千野隆司の著書 ・「出世侍」(全5巻) ・「おれは一万石」…第12巻まで(本書) ----- ◆AFP情報 … ジャンル:本・雑誌・コミック、料率:3%