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茗荷谷の一軒家で絵を描きあぐねる文枝。庭の物置には猫の親子が棲みついた。摩訶不思議な表題作はじめ、染井吉野を造った植木職人の悲話「染井の桜」、世にも稀なる効能を持つ黒焼を生み出さんとする若者の呻吟「黒焼道話」など、幕末から昭和にかけ、各々の生を燃焼させた名もなき人々の痕跡を掬う名篇9作。
茗荷谷の一軒家で絵を描きあぐねる文枝。庭の物置には猫の親子が棲みついた。摩訶不思議な表題作はじめ、染井吉野を造った植木職人の悲話「染井の桜」、世にも稀なる効能を持つ黒焼を生み出さんとする若者の呻吟「黒焼道話」など、幕末から昭和にかけ、各々の生を燃焼させた名もなき人々の痕跡を掬う名篇9作。
レビュー(104件)
江戸から明治、大正、昭和(戦前・戦後)までの時代を、染井、茗荷谷から千駄ヶ谷まで、土地も移ろいながら人間模様を描く連作短編。表題作に見られる猫は、この作品では結構邪険にされていて、猫好きには少し残念。「仲之町の大入道」で内田百けんが出てくる以外は、本当に市井の人々の生活、それも不幸や怪異に焦点が当てられているようだ。「庄助さん」の赤紙によって召集された青年には、ぜひ生き残って映画を撮ってほしかった。
まだ途中です。文庫本なので仕方ないですが、文字が小さいです。 「あやかし」というオムニバス作品を読んで、作者の作品が気に入ったので、オリジナルの短編集かを買い求めました。
表紙の絵がいいです。
問題集のなかにあった「てのひら」という短編にとても感動し、続きが読みたいと思って購入しました。作者が直木賞受賞した方で、しかも女性とは知りませんでした。名前から女性を連想できなかったので・・・。他の作品も面白かったです。