「おまえ、あのとき、なに考えていたの?」
「夢みたいなことだよ。夢みたいなことをね。ちょっと」
朝霞、新座、志木ーー。家庭を持ってもこのへんに住む元女子たち。元男子の青砥も、このへんで育ち、働き、老いぼれていく連中のひとりである。須藤とは、病院の売店で再会した。中学時代にコクって振られた、芯の太い元女子だ。
50年生きてきた男と女には、老いた家族や過去もあり、危うくて静かな世界が縷々と流れるーー。心のすき間を埋めるような感情のうねりを、求めあう熱情を、生きる哀しみを、圧倒的な筆致で描く、大人の恋愛小説。
レビュー(184件)
50代 地元に戻った元クラスメイトとの大人の恋愛です。 自分と同世代で、地元に戻ると本当にこういった環境なのだろうと、リアルでした。 最初に、結末はわかってしまうのに、その過程が知りたくて一気読みしてしまいました。
素晴らしかった。 胸に突き刺さってます。 まさに私は50台なので、登場人物たちと同じ世代。 私たちが中学の頃って、男子のこと名字呼び捨てで呼んでたんですよねー。 その頃の名残りで、今でも名字で呼び合う照れ隠し、女はサバサバ系がもてはやされた時代の名残りがある会話、なんかすごく分かるんですよね。 逆に言えば、若い方は「はてな?」と思ってしまうかもしれません。 読む適正年齢がある本のような気がします。 映画のように絵が浮かぶ文体なので、映画化しそうですね。 もしそうなったら、主人公の女性はきっちりと原作のイメージに合う人にしてほしいなぁ。