本書は王朝文学(平安文学)を歴史・文化・風景との関連でとらえています。また、フィールドワークを含む実証研究や国際的研究を基盤にしていることから、実地調査・ゼミ研修・海外への普及などに必携の内容が織り込まれています。『大和物語』『源氏物語』『枕草子』『大鏡』からそれぞれ八場面程度を選び、注と解説とコラムを載せました。大学などで使用する教科書として、また一般読者や、海外を含むさまざまな学びの場で有益です。収載した多彩な写真も本書の魅力です。
はじめにー『視て語る王朝散文選』を読む人のためにー 小山利彦・原 豊二
凡例
大和物語 原 豊二
1亭子の院(一段〜二段)-宇多天皇の退位ー
2兼盛(五六段〜五八段)-恋と旅の顚末ー
3檜垣の御・筑紫なりける女(一二六段〜一三〇段)-伝説の老女を追うー
4玉淵がむすめ(一四六段)-遊女の歌と帝の涙ー
〔コラム〕 王朝文学における都と鄙
5生田川(一四七段)-同じような男二人ー
6蘆刈(一四八段)-貧しさと恥じらいー
7ならの帝(一五〇段〜一五一段・一五三段)-入水の女と人麻呂ー
8姥捨(一五六段)-更級山と男の後悔ー
〔コラム〕ゼミ旅行 学びの体験をともに
源氏物語 菅原郁子
1光源氏物語の前代(桐壺)-玄宗と楊貴妃の例ー
〔コラム〕『源氏物語』と渤海使節 〔執筆・小山利彦〕
2ヒロインの登場(若紫)-舞台の北山ー
3藤壺の懊悩(紅葉賀)-光源氏の青海波ー
4葵の上と六条御息所(葵)-賀茂祭の車争いー
〔コラム〕 近世源氏絵の世界ー堂上と地下の文化交流ー
5光源氏と明石の君の再会(澪標) -住吉の神へのお礼参りー
6玉鬘の宿運(玉鬘)-初瀬観音での出会いー
7柏木と女三の宮(若菜上)-蹴鞠と唐猫ー
8匂宮と浮舟(浮舟)-宇治川での逢瀬ー
〔コラム〕米国議会図書館(Library of Congress)への旅
枕草子 小山利彦
1春はあけぼのー四季折々の美ー
2清涼殿の丑寅の隅のー中関白家の栄耀ー
3すさまじきものー清少納言にとって興ざめな物事ー
4無名といふ琵琶の御琴をー王朝の管絃ー
〔コラム〕『枕草子』と風景
5あはれなるものー話好きな清少納言ー
6八幡の行幸ー一条帝の還御を見る東三条院詮子ー
7頭弁の、職にまゐりたまひてー清少納言の才と恋ー
8祭の還さー都の初夏を彩る風物詩ー
〔コラム〕 賀茂信仰と平安京
大鏡 園山千里
1雲林院の菩提講ー二人の翁と若侍の出逢いー
2都府楼の鐘ー菅原道真の左遷ー
3三島明神の懇請ー佐理の書ー
4道長嵯峨大堰の宴ー公任の三船の才ー
5宣耀殿の女御芳子ー『古今和歌集』の暗記ー
6百鬼夜行ー師輔が遭遇ー
7春日行幸ー道長の詩歌の才ー
8鶯宿梅ー貫之の娘と梅ー
9亡き愛犬のための法事ー清範律師の機知ー
〔コラム〕ポーランドとヤギェロン大学の学生たち
〔コラム〕日本文学研究から世界をみることのおもしろさ
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