「助六」三座競演、おるや騒動、歌右衛門江戸へ、半四郎の輝き、江戸城最後の謡初め……
歌舞伎、能、狂言、文楽……日本の古典劇とは何か?
時代の鼓動、人間の感性を描き出す畢生の大作!
●変わらぬ部分と変わった部分。
●そのはざまに歌舞伎の感性とそれぞれの時代の貌がある。それが歴史であることを私は思い知らされた。(中略)
●そして同時にこの大きな歴史の流れのなかに浮きつ沈みつしてその人生を送った大勢の人々を、私は考えざるを得なかった。その忘れがたい人々--上は天皇、将軍から下は演技者、作者、興行師、そしてなによりも無名の観客たち。見も知らぬ人々を私は実感し、そして想像した。--<あとがきより>
講談社創業100周年記念出版
レビュー(1件)
歌舞伎狂言と役者の芸の系譜がよく判る
上巻の江島生島疑獄事件から、下巻は浅草移転までと、江戸幕府の政治改革との戦いが常に続く…… 読み進めれば、演目と役者の芸の系譜が今の舞台に続いているので、単に歴史を読んでいるのではなく、歌舞伎そのものに臨場感溢れる接し方をしている自分を発見するだろう。 著者渡辺保氏の明快な語り口もあって、読んでいて歌舞伎ファンなら思わず興奮してしまうこと請合いである。