喜怒哀楽が歌になり、踊りになる。
琉球の島々で育まれた「民俗芸能」、王朝で生まれた「宮廷芸能」、近代メディアによって広まった「大衆芸能」など、多彩でゆたかな沖縄芸能の数々。移民と共に海を渡った踊りや、電波にのって日本全国に届けられた歌など、芸能は沖縄内にとどまることなく、現代に至るまで、時空をこえてさまざまな展開を見せている。伝統と変容の間でゆらぎ、時代の変化に翻弄され、それでも人々のアイデンティティであり続けた沖縄芸能の300年を、さまざまなトピックから描き出す。
序にかえて/三島わかな
1 舞台芸能のいま・むかし──規範と多様性
第1章 八重山の祝宴に関する一考察──祭儀と饗宴/飯田泰彦
コラム1 鳩間の港の物語──加治工勇の音楽活動/飯田泰彦
第2章 近世における組踊をめぐって──上演作品・舞台・小道具、そして近代への伝承/鈴木耕太
コラム2 新作組踊の作者──大城立裕と進化する組踊/鈴木耕太
2 表象のゆくえ──継承と創造
第3章 伝統芸能の〈担い手〉とは誰か──現代から問い直す組踊の継承/呉屋淳子
コラム3 「マースケーイ歌」の旅──長浜眞勇の伝統へのまなざし/呉屋淳子
第4章 地域の音文化は電波に乗って──戦前のラジオ番組にみる沖縄イメージ/三島わかな
コラム4 戦後沖縄放送の黎明──川平朝清の情熱/三島わかな
3 越境する想い──伝播と移動
第5章 エイサー伝播の現代的状況──沖縄本島北部・中部・南部の事例から/久万田晋
コラム5 「琉球國祭り太鼓」の躍進──目取真武男と創作エイサー/久万田晋
第6章 ふるさとへの希求──ハワイ沖縄系移民と芸能/遠藤美奈
コラム6 ふるさとへ帰ってきた芸能──仲宗根文通・宮里松と与儀エイサー/遠藤美奈
第7章 三線に積み重なる価値と人間関係──大阪の事例から/栗山新也
コラム7 伝統を建て直す──仲嶺幹と三線業界改革/三島わかな
音楽・映像資料紹介
あとがき/久万田晋
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