全世界から巨富を集め、繁栄の限りをつくしたローマ帝国。食卓をにぎわす珍鳥・珍魚、文学に、スポーツに進出する「自由な女」、文化となった愛欲ーー。「永遠」をうたわれた巨大文明の興亡の中に現代の超大国・日本の姿を透し見る。
ローマ人たちの胃ーーローマ人は全世界からあらゆる珍味を集めたが、放恣に疲れ切った彼らの胃は、それを受容れることができなくなったのである。ローマ人は、「食べるために吐き、吐くために食べているのだ」というセネカの非難は、単に過食の贅沢に向けられたものではなかった。全世界からかき集められた富を、奢侈と浪費に蕩尽している不健康な悪徳に対する文明批判なのである。吐いた汚物は、便所か路傍の小便壺に捨てられるか、あるいは道端に投げ捨てられる。不正によってかき集められた富は、こうして無駄に浪費されてゆく。--本書より
●権勢の絶頂にあって没落の日を思う
●現代世界との構造的類似性
●ローマ帝国の繁栄とは何か
●「そのとき人類は最も幸福であった」
●すべての道はローマに通ず
●最大の富豪ーー皇帝
●「食べるために吐き、吐くために食べる」
●性の自由を謳歌して
●ローマを支えたゲルマン出身者
●「周辺」と「中心」の逆転をうけいれられるか
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