1966(昭和41)年に人力飛行機による日本初飛行に成功した後、未公認ながら世界記録を樹立し、公認日本記録樹立と更新を2回行い、鳥人間コンテストで9回の優勝を成し遂げた日本における人力飛行機開発の先駆者・牽引者である日本大学理工学部航空研究会によって書かれた書である。日本における人力飛行機開発の50年史とも言える。 1963(昭和38)年に卒業研究として人力飛行機の開発が始められ、1966(昭和41)年2月リネット(Linnet)I型が日本初の人力飛行に成功して今年で50周年を迎えることを機に、その進展と歴史を記すことにしたものである。 卒業研究から現在の航空研究会の活動に引継がれ、その間に61機が開発された。初飛行では僅か15 mの飛行距離であったものが、現在は公認日本記録が49,172 mと大きな進展を遂げている。 本書は“50年の歩み”と“各機の開発者が語る”の2部構成になっている。 “50年の歩み”は、50年間を開発形態、開発の狙い、機体の特徴、達成記録等の観点から黎明期、発展期、改革期、飛躍期、挑戦期の5期に分類。各期では開発環境、開発の狙い、達成記録、機体の改良点などに加え、開発全機体の特徴、主たる記録と活動内容・成果を述べている。 “結び”の部分では、開発全機体の主たる記録と開発形態、製作・飛行場所や機体の素材、形状、構造、翼幅、質量などの変遷を体系だって記載している。 “各機の開発者が語る”では、60名近い開発メンバーが設計・製作・飛行に関する改良点、考慮事項に加え、苦労話やエピソードなどを語っており、その実態が伝わるものと思う。思った成果が得られたことによる達成感や、飛べなかったことによる無念さが伝わってくる一方、いずれの場合においても人力飛行機の開発に一心不乱に取組んだことにより、大事なものが得られたと述べているのは、人力飛行機開発に取組む人への励みになると思う。
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