戦後75年、気鋭の論客が戦後知識人を再評価する新シリーズ創刊!
シリーズ・戦後思想のエッセンス
なぜ人は、破滅に身を委ねてしまうのか?
60年安保闘争や全共闘運動など、戦後の学生・労働者闘争に多大な影響をもたらした吉本隆明。国家論や言語論など、多岐にわたる彼の思想の原点には「戦争体験」があった。戦後思想史の巨人を読み解く、新たな視点を提示する。
はじめに 「母型」と「戦争」──吉本隆明とは何者だったのか
I 詩語と戦争
1 詩語の発生
理想とした詩人
柳田国男と折口信夫
2 戦争と大衆
自明な「世界」との対立
「戦争体験」の本質
人間的な秩序への「反逆」
生活者である大衆
3 イエスと親鸞
「神」をめぐる未曽有の思想
絶対他力の極限
II 南島へ
1 言語・共同幻想・心的現象──吉本幻想論の完成
「表現」の起源へ
『共同幻想論』のはじまりの場所
〈言語〉から〈心〉へ
2 異族の論理
『海上の道』から『母型論』へ
アジア的思惟への遡行
III 批評の母型
1 情況へ
「知」の不可逆的な変貌
「根柢」としての南島
特権的な作家・島尾敏雄
2 批評へ
特異な評論集
「わかりにくさ」の核心
「敗戦という無」からの第一歩
3 表現の根底へ
源実朝が獲得した「言葉」
新古今的なものの彼方へ
「共同幻想」そのものを死滅させる
4 母型と反復
『初期歌謡論』が切りひらいた領域
『源氏物語論』という不可能な試み
IV 最後の吉本隆明
1 偏愛的作家論
宮沢賢治──表現の在り方として憧れ続けた詩人
柳田国男──「旅人」としての眼差し
シモーヌ・ヴェイユ──「神」を考察した革命思想家
夏目漱石──反復される「三角関係」
2 イメージの臨界へ
未完のプロジェクト
カルチャーとサブカルチャーのあいだで
3 アフリカ的段階へ
人類の普遍相へ
吉本思想の到達点
4 〈信〉の解体
解体される共同幻想
最後にたどり着き、力尽きた場所
戦争の「母型」
後記 来たるべき批評の未来に向けて
吉本隆明 年譜
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