著者のデビュー作品である。パンクをやってただけあって、なかなか突飛だ。男二人の友情物語と言えば恰好いいが、何分、男二人は底辺層で生きているのだ。とにかく金がない、定職に就いてない、女房には逃げられる、バイトに行くもおふざけ、インチキなシネマに出演しようとする。このような有様で怠惰な毎日なのに、ストーリーはまるでおもちゃ箱をひっくり返したかのような展開。こんな人生を歩んでいる奴、本当にいそうだ。面白かった。,町田氏独特の表現がたまらなく魅力で、ときどき読み返したくなります。一回読んでおしまい、にならないのが氏の作品。,ページをひらいてウンザリしてしまい未だてつかず…,おもしろかったです ありがとうございました,町田康氏のデビュー小説となった表題作は、仕事も辞め毎日ぶらぶら過ごしているうちに妻は出て行き、邪魔くさい金属製の大黒様を捨てに行く事からストーリーが展開する。大黒様を抱えて捨て場所に悩み、いざ捨てても大黒様とその置き場所周辺の視覚的バランスを考えてしまう主人公。それに友人・菊池が絡み、物語は思わぬ方向へ加速度を上げてドライブしていく。現実と狂気または妄想が、覚醒と朦朧の間を行き来するうちに、戻れない世界に落ち込んでいく。しかし主人公たちに自覚はない。独特の日本語感で笑いを誘う場面もあるのに、読後は背中が寒くなってしまった。
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著者のデビュー作品である。パンクをやってただけあって、なかなか突飛だ。男二人の友情物語と言えば恰好いいが、何分、男二人は底辺層で生きているのだ。とにかく金がない、定職に就いてない、女房には逃げられる、バイトに行くもおふざけ、インチキなシネマに出演しようとする。このような有様で怠惰な毎日なのに、ストーリーはまるでおもちゃ箱をひっくり返したかのような展開。こんな人生を歩んでいる奴、本当にいそうだ。面白かった。
町田氏独特の表現がたまらなく魅力で、ときどき読み返したくなります。一回読んでおしまい、にならないのが氏の作品。
ページをひらいてウンザリしてしまい未だてつかず…
おもしろかったです ありがとうございました
町田康氏のデビュー小説となった表題作は、仕事も辞め毎日ぶらぶら過ごしているうちに妻は出て行き、邪魔くさい金属製の大黒様を捨てに行く事からストーリーが展開する。大黒様を抱えて捨て場所に悩み、いざ捨てても大黒様とその置き場所周辺の視覚的バランスを考えてしまう主人公。それに友人・菊池が絡み、物語は思わぬ方向へ加速度を上げてドライブしていく。現実と狂気または妄想が、覚醒と朦朧の間を行き来するうちに、戻れない世界に落ち込んでいく。しかし主人公たちに自覚はない。独特の日本語感で笑いを誘う場面もあるのに、読後は背中が寒くなってしまった。