今号の巻頭は、2023年11月に逝去した東洋哲学研究所の創立者・池田大作氏に対する、中国とロシアの識者による追悼文等を掲載する。
特集では、「つながらない時代の「生」を考える」をテーマに、生が危ぶまれるようなつながらない状況を捉え、そのなかで人はいかに固有の生を生きていくことができるのかを論じる。「21世紀の精神のシルクロードーー平和への道筋を考える」では、昨秋に開催された当研究所の連続公開講演会での講演録4本を収録。平和に向けた心をつなぐ営みとして、他者への想像力を養うことや、知られざる交流史を紡ぐこと、尊厳のために知恵をしぼること、自身の意識と心を変革することなどが語られる。企画「思想の扉」では、アラビアの哲学者アヴィセンナ(イブン・スィーナー)を取り上げ、彼の主張する「東方哲学」とは何かについて論じていく。その他、コラムや書評、新刊紹介、研究覚え書きを収める。
追悼
創立者とともに「世界の東哲」へ 桐ケ谷章
池田大作先生と敦煌 趙声良
池田大作先生の思い出を偲んで イリーナ・F・ポポワ
特集 つながらない時代の「生」を考える
再考 大規模災害における生のレジリエンスと人のつながり 宮城孝
つながりの現象学ーーケアのコミュニティを考える 稲原美苗
「つながり」の現在地 開沼博
特集総論ーーつながらない時代の「生」を考える 山岸伸夫
21世紀の精神のシルクロードーー平和への道筋を考える(連続公開講演会より)
思考の危機と危機の思考ーー哲学の終わりなき挑戦ーー 齋藤元紀
日本とウクライナーー過去・現在・未来ーー 岡部芳彦
二つの戦後と「人間の尊厳」--社会統合の新たな理念としての「尊厳」-- 加藤泰史
誰一人取り残さない経済の創出に向けてーー開発途上国における女性のエンパワーメントーー 内海 友子
思想の扉:アヴィセンナ/イブン・シーナー(980–1037)
アヴィセンナの東方哲学とその運命 小村優太
コラム シルクロード(絲綢之路)5
アジャンタ壁画 大村次郷
書評
『人類と文明のゆくえーー危機に挑戦する比較文明学』(比較文明学会創立40周年記念出版編集委員会編、2023年) 石神豊
新刊紹介
『中国天台宗の戒律観の研究 明曠『天台菩薩戒疏』を中心に』(東洋哲学研究所、2024年)大津 健一
研究覚え書き
鎌倉時代の正月行事と得宗被官 梶川貴子
反核運動と「平和の文化」--その課題の超克と理論的根拠
カナダ・カルガリーにおける活動事例を中心に アップル荒井しのぶ
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