科学理論に基づく演繹的な手法が主役だった自然災害の予測に、深層学習やビッグデータを活用する人工知能の応用が模索されるようになった。人工知能による予測は、膨大なデータの学習から得られる経験的な推測であり、結果がすべて。失敗しても理由は不明で、対策はデータを増やすことだけ。どんな可能性と限界があるのか。
第1章 予測の基礎は科学の体系
経験的な予測と演繹的な予測/自然科学の発達と影響力/自然科学の体系と予測の確かさ/フラクタルとカオス/予測の曖昧さが生む防災の難しさ
第2章 人工知能が予測に参入
人工知能と人間/教師あり学習/自己組織化写像/決定木/深層学習/人間の脳の発達
第3章 気象現象の予測
大気の構造/大気の運動/天気予報の方法と限界/熱帯低気圧の進路予測/モンスーン地帯の降雨量の変動/過去の気象条件の復元
第4章 マグマの活動と噴火予知
マグマと噴火/噴火予知/噴火規模の予測/噴火前の火山の状態/火山性微動と水蒸気噴火
第5章 地震予知と津波予報
地震の原因──マントル対流とプレート運動/地震の発生過程を説明する弾性反発モデル/すべりの発生時期を人工知能で予測/地震予知の難しさ/津波の予測/津波予測への人工知能の活用
第6章 人工知能時代の予測と社会
気象,津波,噴火の予測に人工知能が果たす役割/人工知能の地震予知への利用/自然災害の予測と防災/人工知能の能力/人工知能と社会の未来
あとがき
参考文献
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