情報システムの構築管理を情報資源管理とシステム構築統制に焦点を当てて探究する。情報資源管理は古くて新しいテーマである。本書で明らかにするプロジェクト統制の仕組みは普遍的な構造であり,適用技術やアプローチ手法を問わず,時代を超えて求められるものである。この統制をきちんと整備できたプロジェクトは無事に進み,そうでないプロジェクトは困難を経験するであろう。
第1章では情報資源管理の考え方について概観する.第2章では,情報資源管理の思想がどのように生まれ,どのように歩んだかを振り返り,その上で,この管理思想を再び生かすためのカギについて論じる.第3章から第6章では,情報資源管理の実現手段である情報システムを着実に構築するためのプロジェクト統制のありかたについて,社会学の知見などを借りながら論じ,最後に第7章で全体を総括する。
第1章 情報資源管理の考え方
1.1 経営におけるデータと情報
1.2 情報資源管理のモデル
1.3 情報資源管理と情報システムの信頼性,安全性,効率性
第2章 企業情報システムの構想力と情報資源管理
2.1 情報資源管理の思想の可能性
2.2 MISから情報資源管理へ
2.3 行政文書サービスにおける情報資源管理ー文書業務削減法
2.4 企業情報システムにおける情報資源管理ー茨の道
2.5 構想力を高める言葉としての情報資源管理への期待
第3章 システム構築プロジェクトの構造的統制ー要件統制と自己組織統制ー
3.1 システム構築の統制への契機
3.2 システム構築プロジェクトとはどのようなものか
3.3 システム構築の要件統制
3.4 要件統制の限界と現場統制の必要性
3.5 設計成果物によるシステム構築の自己組織統制
3.6 要件統制ー自己組織統制の連携システム
3.7 システム保守工程の統制について
第4章 システム構築プロジェクトにおける動機づけの方向ー自己防衛的統制と自己革新的統制ー
4.1 システム構築統制と内部統制概念
4.2 自己防衛的な内部統制と自己革新的な内部統制
4.3 システム監査における内部統制動機の明確化
4.4 要件統制サブシステムの機能と運用
4.5 プロジェクトへの動機を踏まえた統制の必要性
第5章 システム構築プロジェクトの現場を支える資源動員ーシステム開発ライフサイクル課題ー
5.1 システム開発ライフサイクル課題
5.2 システム構築アプローチに関わるSDLC課題
5.3 要件統制の要請に関わるSDLC課題
5.4 要件統制し続けることの自己成就性
第6章 規範解体におけるシステム構築プロジェクトの統制と監査
6.1 規範解体がもたらす統制の危機
6.2 情報システムの関連領域の体系
6.3 技術的規範の解体に直面するシステム構築統制
6.4 技術変化を柔軟に受容できる統制枠組みによる対処の可能性
6.5 システム監査とシステム・コンサルテーション
6.6 規範解体の危機から脱出し規範創出へと向かう社会力への期待
第7章 情報資源管理とシステム構築統制ーその探究的再考についてー
7.1 情報資源管理への期待の顛末
7.2 情報資源管理の実現手段としてのシステムの構築統制
7.3 情報資源管理の実現に向けて
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