スペイン国境に近いフランスのアンダイからスペイン西端サンティアゴ・デ・コンポステーラまで800キロ以上に及ぶ徒歩巡礼の記録。
組織
出発点
なぜ?
カミーノ恋愛事情
旅立ち
街中の野蛮人
秘密の野宿一泊目
キャンパー巡礼者の幸運と不運
孤独
セナルーサでの晩課
マラソンもサンティアゴも同じ戦いだ!
ビルバオ
カンタブリアの渡し船で
パイプラインの神
汚された名所たち
導師の巣窟で
海岸との別れ
カンタブリアーつましさの学校
カミーノの蒸留器の中で
時代の底のアストゥリアス
バッカスと聖パウロ
キリスト教世界の見事な一断面
アルフォンソ二世とブッダの足跡を辿って
出会い
カミーノの頂点で
森の中の出現
ガリシア! ガリシア!
古代ローマの夜
道に迷う
フランス人の道
最後の試練
到着
レビュー(1件)
聖俗入り乱れる上質のエンターテインメ
サンティアゴ巡礼は、お遍路さんや熊野詣に通ずるところがあって、日本人にも人気があるという。そんなことも知らないで本書を手にしたのは、著者がリュファンだったから。フランスのベストセラー作家で国境なき医師団の重要メンバーで、アカデミー・フランセーズ会員。地位も名もある人物が、裃を脱ぎ捨てて、ボロボロになりながら800キロ以上を歩き通したことに感興をそそられた。中身は思わずニヤリとさせられるエピソードの連続。信仰の篤い(はずの)人々を引き付けて止まない巡礼の記は、諧謔精神溢れる一流作家の手にかかると、聖俗入り乱れる上質のエンターテインメントに。でも、いいのかな。トイレが見つからず、公園の木陰で〇〇〇したなんて話を書いちゃって。事程左様に、著者が素の自分と向き合う姿が至る所で見られるが、実はそれこそが本書の大きな魅力。リュファンに言わせると、段々キリスト教を超越して、仏の悟りの境地に近づくらしい?本書は静岡大学の研究叢書の一冊と書いてあるけど、全然そんな堅苦しい本ではなくて、こなれた翻訳のお陰もあって、すごく楽しめた。値段が高いのが玉に瑕だけど、一味違う巡礼記です。