国家と同じように警察の役割や収税を行い、市民と共存する「カルテル」--暴力装置を独占するのが国家だとすれば、まさにパラレル・ステートである。メキシコで暴力のスパイラルが始まって17年。残虐な殺人事件が各地で起こり、行方不明者の数も減る兆しは一向にない。ある日突然、理由もなく連れ去られた息子、娘、連れ合い。その多くは殺害され、メキシコ各地に無数に点在する「秘密墓地」に埋められている。カルテルに買収された当局が動かないなか、母親たちは自ら山野に分け入り、家族の面影を探す。凶悪な犯罪組織がしのぎを削り合う麻薬戦争最前線を巡り、行方不明の家族を探す女性たちの声を拾い集めた渾身のルポルタージュ。
まえがき;ナルコ回廊 序章;第1章 ナルコ戦争の最前線ーーシナロア;ナルコ回廊2 土の中に面影を探して --ベラクルス;ナルコ回廊3 女性殺人の街はいま --シウダー・フアレス;ナルコ回廊4 自警団のたたかいとその後ーーミチョアカン;ナルコ回廊 5 先住民村の勇気ある挑戦ーーミチョアカン州チェラン;ナルコ回廊6 砂の中の虐殺の記憶ーーコアウイラ;ナルコ回廊 7 走る民族とナルコーーチワワ;ナルコ回廊8 アヨツィナパ事件とその後ーーゲレロ;ナルコ回廊9 もうひとつの首都の顔ーーメキシコシティ;ナルコ回廊 エピローグ
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