●精神分析的診断面接をどのように進めるか、そして精神力動ケースフォーミュレーションをいかにまとめるか、について総合的に理解するための知識と技術についてまとめる。それは精神療法のみならず、一般精神科の診療場面、学校コンサルテーション、親ガイダンスなど、さまざまな臨床場面に応用できる。
●目次
まえがき
序章 診断面接と精神力動フォーミュレーションはなぜ必要か?
第 I 部 理論編
第1章 神経症とは? 第2章 発達プロファイル 第3章 精神分析的発達理論と見立て:タイソンの発達理論 第4章 精神力動フォーミュレーションに関連した実証研究
第 II 部 実際編
第5章 精神分析的診断面接の進めかた 第6章 境界性パーソナリティ障害と自己愛性パーソナリティ障害の見立て 第7章 思春期患者における親面接と見立て 第8章 精神力動フォーミュレーションのまとめかた 第9章 精神分析的診断面接の進めかたの実際:症例から
付録 精神力動フォーミュレーションのまとめ
文献/あとがき/人名索引/事項索引
『解説』
本書は、精神分析的診断面接をどのように進めるか、そしてそこから得られた情報から精神力動フォーミュレーションをいかにまとめるか、といった点について総合的に理解するための知識と技術についてまとめたものである。
精神神経科の臨床場面、心理オフィス、学生相談室など、臨床場面がどこであれ、治療・相談や精神療法を受けようと訪れる患者、クライエントの多くは、自分の問題がどのようなものであるかについてあまりよくわからないままで来訪することが多い。診断面接の第一の目的は、患者自身が、自分の問題がどのようなもので、どのような治療を受けたらよいのかについて、理解できるよう援助することにある。また、精神分析的診断面接で身につけた技術は、長期の精神分析的精神療法を進めるためにはもちろん役立つが、一般精神科の診療場面、他の医療場面や学校などでのコンサルテーション、思春期・子どもの患者の親ガイダンスなど、さまざまな臨床場面に応用できる。
精神分析的精神療法は、現在の患者の心的生活や対人関係などの問題のなかで、主に子ども時代の感情や家族との問題に起源をもち、現在の問題に影響を与え続けている無意識の葛藤を明らかにし、解決してゆくことを目指す方法である。それゆえ、そのためのフォーミュレーションの内容は、個々の患者の問題ごとに大きく異なったものになる。この点が、規範性の強い認知行動療法の見立てなどとは大きく異なる点である。たとえて言うならば、後者があらかじめサイズが決まった既製服であるのに対して、精神分析的な見立ては、個々人のサイズを測って作るオーダーメイドのものといえるかもしれない。(「序章」より)
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