本書は、18世紀国家学から20世紀のナチスや社会的市場にいたるまでの、ドイツ経済思想の200年を検討したものである。スミスからリカードゥを経てマルクスやミルにいたる古典派経済学が経済的推論の理論的核心として、価値や分配、生産に力点を置いたのに対して、ドイツの経済学者が強調したのは、人間の需要と秩序であった。人間の多様な需要と、経済組織の作動を司る秩序とのこの対比は、18世紀初頭以来ずっと、経済事象を扱うドイツの著述家の中心的関心事であった。この過程を導くのはいかなる合理性の形式であろうか。家計と個人の合理的選択が、かれらの必要や需要を満たせるような合理的経済システムとなることを保証するのは、いかなるメカニズムであろうか。本書の諸章は、この秩序問題には多様な戦略があること、多様な戦略が考えだされうること、を示している。
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