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「なぜ、誰かが得すると自分は損した気になるの?」 Go Toトラベルも、社会全体の経済をよくするためが、「あの人だけ、いい思いをするなんて許せない!」とモヤっとした人は少なくありませんでした。そんな負の感情が連鎖しやすい傾向こそ、日本人の脳の特徴だったのです。 一方、「日本人は親切だ」「日本人は礼儀正しい」「日本人は真面目だ」「日本人は協調性がある」──こうした日本人への褒め言葉をよく耳にします。でも実は、日本人はよその国の人よりいじわる行動をすると判明。自分が損をしてでも相手に得させない行為をする日本人。 パンデミックでは、コロナ禍で奮闘する医療者までも生贄探しの対象になりました。むき出しになった正義中毒に誰もが「他人の目が怖くて」自粛。巣ごもりで毒親に悩むケースも目立ちました。自他ともに生きにくさを増すこの時代、脳科学者の中野信子さんと、時代も国も越えた体験を描く漫画家・随筆家のヤマザキマリさんが鋭く分析。パンデミックの経験を無駄にせず、心豊かに生きる方法が得られます。 〈目次より〉 第1章 なぜ人は他人の目が怖いのか 中野信子 「魔女狩り」に見る人間心理の闇/幸せそうな人を見ると、なぜモヤッとするの?/脳は、誰かと比べないと幸せを感じられない/なぜ、「他人の不幸」は蜜の味なのか/世界でもいじわる行動が突出している日本人/あなたが生贄にされないために 他 第2章 対談 「あなたのため」という正義──皇帝ネロとその毒親 人はいともたやすく正義中毒にはまる/なぜ読者が、皇帝ネロに感情移入したのか/母親や重臣殺害の深層心理/自己評価の低さがおデブの引き金に/わが子を自己実現の道具にする毒親/間違った褒め方がプチネロを作る 他 第3章 対談 日本人の生贄探し──どんな人が標的になるのか プチネロたちの脳内/「群れ」に生じる凶暴な安心感/なぜ、日本では陰湿な炎上が起きるのか/「群れに害をなす」というレッテル/ファッション化する「正義」/フェラーリで上がる男性ホルモンの値/キリスト教と仏教の救済の違い/攻撃する側の脳内を満たす快感/「得していそうな人」が生贄になる 他 第4章 対談 生の美意識の力──正義中毒から離れて自由になる 境目の人々に見えている世界/戦わずして勝つフェデリーコ2世の戦略/エンタメは負のエネルギーを浄化する/日本人を変質させた歴史のキーワード /「違い」を面白がれる生の美意識/自分は自分が大事、相手も自分が大事 他 第5章 想像してみてほしい ヤマザキマリ 「出る杭を打つ」日本を恋しがるイタリア人の夫/思い知らされた「世間体」という日本の戒律/想像力の欠如がヒトを危険生物化する/人を脅かし群れさせる「孤独」の正体/自他ともに失敗が許せない時代 他
レビュー(50件)
「自分にとっては自分が大事、だからこそ相手も自分のことが大事、ということを尊重しあうことが大切」 当たり前のことなのに、それがわかるならモラハラなんてなくなるのになぜできないのでしょうね。 お行儀が良くて控えめな日本人、のイメージは外国人にも評価が高いけれど、本音では他人に対する対抗心や嫉妬心は凄く強くそれを隠して笑顔を作る陰険さも世界一の日本人。 中野さんとヤマザキさんがおっしゃる「匿名という野蛮」が噴出しやすい国民性なのだと思います。 世界史の人物が生き生きと動き出すような臨場感、中野さんとヤマザキさんの知識と解析力による人物像の深み、人生のバイブルになりそうな御本です。
本書は・・
特に、日本社会における同調性、 空気を読む、それらを説明する共著です。 それに対応するように、ヤマザキさんが記している、 虹の色の話は、共感できました。 単独で記している箇所に関しては、理解できます。 ただ、対談部分については、世界史の知識が必要で、 理解できません。なので、★マイナス1です。
タイムリーは話題を、感情的でなく分析的にとらえた良書でした。
ネロ親子と現代で生贄にしたてる話とリンクさせているところがあります。古代のイタリア人と現代の日本人は何となく似ているのでしょうか。
コロナ禍の今だからこそ、とても参考に!
タイトルからは、内容のよさを勘違いされる方がおられるかも。生贄にならないように、自分を磨き抜く大切さを再確認しました。出過ぎた杭は叩かれないと思いたい。アメーバーになられませんように。強く願います。