市場経済は効率的な経済運営を可能にするがさまざまな欠点もあり、格差の拡大や地球温暖化などが市場の失敗の例としてよく挙げられる。これに対し、政府の介入・規制だったり、CSR(企業の社会的責任)などが必要と論じられることが多いが、本書は、さらに個人的で抽象的であるものの、より根源的な「徳」について考えている。
これまでも徳と市場の関連についての研究はなされてきたが、著者はそれらはあくまでも「徳一般」の研究であるため漠然としており、その関連を考察することは難しいという。これは個々の徳目の間に相反するものがあるからだと言い、本書は下記目次の第2部にあるような、8つの具体的な徳目について考えることで、この困難さの克服を試みている。そして、市場は徳を阻害するという結論を導く。
市場の強すぎる支配が問題として強く認識されてきている中、有用なヒントがある。
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