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白昼、老人が渋谷のスクランブル交差点で何もない空を指さして絶命した。正光秀雄96歳。死の間際、正光はあの空に何を見ていたのか。それを突き止めれば一千万円の報酬を支払う。興信所を営む鑓水と修司のもとに不可解な依頼が舞い込む。そして老人が死んだ同じ日、ひとりの公安警察官が忽然と姿を消した。その捜索を極秘裏に命じられる停職中の刑事・相馬。廃屋に残された夥しい血痕、老人のポケットから見つかった大手テレビ局社長の名刺、遠い過去から届いた一枚の葉書、そして闇の中の孔雀……。二つの事件がひとつに結ばれた先には、社会を一変させる犯罪が仕組まれていた!? 鑓水、修司、相馬の三人が最大の謎に挑む。感動のクライムサスペンス巨編!
レビュー(97件)
イチオシ!
続きが読みたくて夜中に目覚めてしまうほどのハマりようでした。「犯罪者」も「幻夏」も読んでいましたので主要登場人物3名のキャラが把握できていたのも追い風だったのかもしれません。内容はまるで最近露呈しはじめた大問題を予見していたとしか思えない鋭さです。上下巻に分かれているボリュームがハードル高そうに感じるかもしれませんが、全く心配ありません。超オススメです。なぜこのような秀作が文学賞を獲得できないのか不思議です。
入り込めなかった
話題の作品だったので、初めてこの作家さんの本を読みました。テーマとしては、とても良いのですが、問題を盛り込み過ぎな感じが否めません。また、シリーズものの3作目だったこともあり、読み進めていくうちに登場人物の個性がなかなか掴めず、セリフ回しなどもそれぞれの名前を読んで語りかけるのが読みにくかったです。上下巻にせず、要点をまとめてページ数多めの一冊なら良かったかなという印象がありました。上巻の終わりでペースダウンして、下巻の伏線回収が疲れてしまいました。
下巻がどうなるか
どういう着地になるのか、まだわからないので、とりあえず星4つ。
期待を裏切らない面白さ!
シリーズ作の「犯罪者」、「幻夏」が面白かったので、期待して読みましたが、それを裏切らない、というよりは、それを上回る面白さでした。 渋谷スクランブル交差点で、天を指さして亡くなった一人の老人。彼が指さしていたのは何かを明らかにする、という、かなりイレギュラーな謎解きと、公安警察の失踪、という2つの事件の謎解きが同時並行に進んでいきます。 そのほか、怪しい新興宗教が出てきたり、かなり大きく風呂敷を広げています。 最初の方は、ほとんど謎の手がかりが見つかりませんが、物語にスピード感があって、どんどん引き込まれていきます。ほぼ一気読みの面白さでした。 大ヒットテレビドラマを作っていた著者なので、ストーリーの進め方などがテレビ的で、情景が思いうかべやすく、読みやすいですね。時々、シリアスな場面で挿入される笑いが、彼女の代表作、TRICKっぽいな、と思いました。後半にも期待です。
太田愛さんにはまりました。読みやすくワクワクする展開は最高です。