原初の生命に力を与えた物質、水。かぎりない流動性をもち、海水にも淡水にも、泥にも乳にもなるこの生成のエレメントは、知覚し想像する人間に、ときには母の穏やかな幸福を、ときには冷たく孤独な死の危険をあたえる。詩句や神話に表現された水の想像力への「物質主義的」分析が、新しい文芸批評(ヌーヴェル・クリティック)の時代を予見させた記念碑的な著作。
序 想像力と物質
第1章 明るい水、春の水と流れる水
ナルシシスムの客観的条件、恋する水
第2章 深い水ー眠る水ー死んだ水
エドガー・ポーの夢想における〈重い水〉
第3章 カロン・コンプレックス
オフィーリア・コンプレックス
第4章 複合的な水
第5章 母性的水と女性的水
第6章 純粋と浄化、水の倫理
第7章 淡水の優位
第8章 荒れる水
むすび 水のことば
原註・訳注
訳者あとがき
人名索引
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