本書は、戦後の損害保険産業を社会システムとして定着させた損害保険システムに注目する。特に、大衆保険化、中でも自動車保険の発展プロセスを通じて業界各社の戦略および企業間競争・協調を詳細に検討するとともに、損害保険産業の持つサスティナビリティを明らかにする。研究対象期間は、戦後の保険規制下、すなわち1945年から自由化・規制緩和前の1997年までである。分析に際しては各種統計資料、ディスクロージャー資料など定量面でのアプローチに加え、各種文献、業界団体年史、個別企業の社史、回顧録・追想録・報道資料などの定性面でのアプローチを行う。さらに、損保業界の役員・幹部経験者へのインタビューをオーラル・ヒストリーの手法により書き起こした記録を質的データ分析法によって補強・補完資料として活用する。
レビュー(0件)