- 45
- 4.0
18万部のロングセラー『発達障害の子どもたち』に、待望の続編が登場! 発達障害児の陰に潜む家庭の問題とは? こころの骨折・トラウマはどう治す? 脳と神経に何が起こっているのか? 「発達凸凹」という新しい考え方とは? 保護者、教育関係者から小児科医まで必読の書。 序章 母子並行治療をおこなったヒナコ 第一章 発達障害はなぜ増えているのか 第二章 発達凸凹とは 第三章 発達凸凹の可能性 第四章 トラウマの衝撃 第五章 トラウマ処理 第六章 発達障害とトラウマ 第七章 発達障害と精神科疾患 その1 第八章 発達障害と精神科疾患 その2 第九章 未診断の発達障害、発達凸凹への対応 終章 療育、治療、予防について
レビュー(45件)
何故引き合う?
最近気になっていた中味を知らない言葉「発達障害」。凸凹障害とか全貌が少し分かりました。事例にある発達障害の連鎖のようなもの、またどういう訳かお互いに引き合ってしまう運命みたいのがやるせないです。早いうちから発達障害について理解することが児童虐待などに繋がることを防げるように思う。
発達障害のいまを横断的に解説した良書。
本書は、解明途上の発達障害の原因、発達障害を重篤にするトラウマなどの外的要因、自閉症スペクトラムと類似の症状を作り出す虐待の影響、発達凸凹(軽度の自閉症スペクトラム)と虐待が相乗した時の恐るべきインパクト、虐待の世代連鎖、そしてその解決が困難であれ不可能ではない事、現在試みられている具体的治療法、発達凸凹者(2E)の秘める可能性など、まさに「発達障害のいま」を横断的に解説しています。 ただ、他の方も触れておられますが、基礎知識なしで読むと難しいかもしれません。 その場合、「発達障害の子どもたち」など著者の他の本を先に読まれるとより理解しやすいかと思います。 ここで本書に登場するトラウマ治療の技法「EMDR」について少し突っ込んで触れておきます。 EMDRは優れたトラウマ治療技法ですが、トラウマの治療はどんなに優れた技法でも、表面に現れた問題の背後に隠れた更に危険なトラウマ記憶を呼び覚ますリスクと隣合わせです。 プロの治療現場であれば、防御的に忘却されて心の深層に埋もれていた古いトラウマが表面化しても、それをも治療することで完治に向かうことができます。 が、素人が安易に技法の表面だけ真似て自我を守るために無意識に封印されていたトラウマ記憶を開放してしまった場合、対処できずに状態を悪化させてしまいます。 最悪の場合、自殺につながるような事態もありえるため、臨床の資格と技能を持たない人は決して真似すべきではないのです。 EMDRは、心理臨床の専門家がきちんと学会の講座を受講して施術の資格を得て実行して初めて安全に実施可能なのです。 なお、EMDRは患者本人にとっての施術上の苦痛も少なく優れた治療法ではありますが、他の治療法と同じく万能ではありません(=中には効果が薄いケースもある)。その人にあった効果のある治療法を求めてトライ・アンド・エラーが生じるのは仕方ない側面もあると思います。
内容
同社から出ている「発達障害の子どもたち」の続編として購入しました。もう少しコアな部分の内容が書かれているものと想像していましたが、案外と一般論でした。やはり、新書版は一般ユーザー向きに書かれているので、専門書とは異なるもだと感じました。
専門家レベルの内容で、読み応えあります。でも頑張れば一般人でも読めるような配慮がされてます。最新の知見に触れることができます。何回も読み返して勉強したいと思います。
杉山博士の最新書です。「発達凸凹」という捉え方がこれからのスタンダードになっていくのだと思います。そして,もっとも深刻なのが「虐待」の問題。親子なのにどうして…と思わずにはいられません。