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コモンとしての書物をベースに新しい社会を作るために。 司書、図書館員、ひとり書店、ひとり出版社…… 書物文化の守り手に送る熱きエール 世界でただ一人の内田樹研究家、朴東燮氏による 韓国オリジナル企画の日本語版を刊行! 2023年の講演「学校図書館はなぜ必要なのか?」をメインに、 日韓ともにきびしい状況に置かれている 図書館の本質と使命、教育的機能、あるべき姿を説き、 司書や図書館人にエールを送る第1部「図書館について」と、 「書物の底知れぬ公共性について」(書き下ろし)、 「本の未来について」、「書物は商品ではない」など、 「読む」ことの意味や書物の本質と未来を語る 第2部「書物と出版について」で構成。 朴東燮氏の卓抜な内田樹論「『伝道師』になるということは」と 李龍勳氏の推薦文「『図書館的時間』を取り戻すために」を収録 [本文より] 「僕は図書館というのも、本質的には超越的なものを招来する「聖なる場所」の一種だと思っています」 「図書館はそこを訪れた人たちの無知を可視化する装置である」 「図書館に向かって「みんなが読みたがるベストセラーだけを並べて置け。読まれない本は捨てろ。そうすれば来館者は増える」と言う人たちは知性と無縁な人間である」 「幸福な読書を経験するためには「読字」の時間が必要である」 「紙の本にまさるメディアを人類はまだ発明していない」 「書物とは異界への回路である」 「書物は私有物ではなく、公共財である」
レビュー(15件)
韓国と日本の懸け橋になりえる本
内田樹さんと村上春樹さんは、きっと韓国の人たちと共通の話題で盛り上がれる作家だと思った。 韓国の図書館には、どんな本があるんだろう? 戦争や弾圧政治などで多くの映画や文学の才能がつぶされてきたと思っていた。 韓国には、その空白期間があるはずだ。 「ねえ!図書館には、人がいないほうがいいって本知ってる?」 そう話しかけてみたい。 これを読んで韓国の図書館を訪ねようか!