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東京に来なかったほうが幸せだった? Twitterで凄まじい反響を呼んだ、虚無と諦念のショートストーリー集。 「3年4組のみんな、高校卒業おめでとう。最後に先生から話をします。大型チェーン店と閉塞感のほかに何もない国道沿いのこの街を捨てて東京に出て、早稲田大学の教育学部からメーカーに入って、僻地の工場勤務でうつになって、かつて唾を吐きかけたこの街に逃げるように戻ってきた先生の、あまりに惨めな人生の話をします。」(「3年4組のみんなへ」より) 「『30までお互い独身だったら結婚しよw』。三田のさくら水産での何てことのない飲み会で彼が言ったその言葉は、勢いで入れたタトゥーみたいに、恥ずかしいことに今でも私の心にへばりついています。今日は、彼と、彼の奥さんと、二人の3歳の娘の新居である流山おおたかの森に向かっています。」(「30まで独身だったら結婚しよ」より) 「私、カッパ見たことあるんですよ。それも二回。本当ですよ。桃を持って橋を渡ると出るんです。地元で一回、あと麻布十番で。本当ですよ。川面から、顔をニュッと目のところまで突き出して、その目で、東京にしがみつくために嘘をつき、人を騙す私を、何も言わず、でも責めるようにじっと見るんですよ。」(「カッパを見たことがあるんです」より) 14万イイネに達したツイートの改題「3年4組のみんなへ」をはじめ、書き下ろしを含む20の「Twitter文学」を収録。 【推薦コメント】 面白すぎて嫉妬した。俺には絶対に書けない。 ーー新庄耕さん(作家,『狭小邸宅』『地面師たち』) 【著者略歴】 麻布競馬場(あざぶけいばじょう) 1991年生まれ。
レビュー(137件)
大学の固有名詞がよく出てくるので、途中飽きてしまいましたが、地方出身の人は実体験と似た短編が見つかるかもしれません。 「うつくしい家」に出てくる文化的趣味の話は分かる気がします。実家のこと?かと思いました。 次回作が出たら、読みたいです。
田舎の進学校に通っていたため、上京した友達は大勢います。私は地元に残った組です。 何とも複雑な心境になりました。「親ガチャ」を考えさせられました。
故郷に錦を飾れなかった地方出身者の物語
SNSで話題になっていたので購入。ホリエモンは絶賛していましたが、正直言って面白さがよく分かりませんでした。ホリエモンとの対談で作者が地方出身者と知り、地方からはるばる東京へ出てきた人にしか分からない上京物語なのだろうと思ったら何となく腹落ち。生まれも育ちも東京人には理解不能。買う前にTwitterでお試ししてみることをオススメします。
3年4組の1人です
いつもTwitter文学を見ていたので即購入。 東京に憧れ、東京で違う世界を知り、東京が嫌いになった自分の駆け抜けた性春を思い出した。 新時代の文学として楽しく読めたところを見ると、自分も東京嫌いが治ったのかなと思う。 次回作、期待してます。
今年で44歳になります 高卒で地方の工場勤務で素人童貞です ハゲデブ癌だけど細々生きてます 私のような最底辺の読む本ではありませんでした