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日本帝国海軍の夢と野望を賭けた不沈の戦艦「武蔵」-厖大な人命と物資をただ浪費するために、人間が狂気的なエネルギーを注いだ戦争の本質とは何か?非論理的“愚行”に驀進した“人間”の内部にひそむ奇怪さとはどういうものか?本書は戦争の神話的象徴である「武蔵」の極秘の建造から壮絶な終焉までを克明に綴り、壮大な劇の全貌を明らかにした記録文学の大作である。
日本帝国海軍の夢と野望を賭けた不沈の戦艦「武蔵」-厖大な人命と物資をただ浪費するために、人間が狂気的なエネルギーを注いだ戦争の本質とは何か?非論理的“愚行”に驀進した“人間”の内部にひそむ奇怪さとはどういうものか?本書は戦争の神話的象徴である「武蔵」の極秘の建造から壮絶な終焉までを克明に綴り、壮大な劇の全貌を明らかにした記録文学の大作である。
レビュー(116件)
太平洋戦争直前、米英日の不公平な軍縮条約は国際連盟脱退につながり、日本海軍が大型軍艦造船に舵を切る。第2号艦として長崎で建造される武蔵を、まず造船大国日本の技術力の面から記述。艦建造の各段階における担当者・作業員たちの群像である。しかし、時代は航空兵力が中心になり、戦艦ではなく空母が海洋戦の主力になると山本五十六大将などが予見していたにも関わらず大型戦艦が建造された。戦隊に編入後はさして活躍することなく米航空兵力によって撃沈される、悪手といえる軍の戦略に翻弄されていく戦艦武蔵の最期は読んでいて辛かった。
記録小説
戦艦武蔵建造から沈没までの記録小説でした。この戦艦のことをよく知らない私には少しとりつきにくい内容でした。
ミリタリー好きでない人にも
日本が誇る当時世界最強だった大和型戦艦について、建造時の秘話から、運用中、そして失われるまでが描かれた、記録資料とも言える作品。兵器と当時の軍事について興味深く読むことができる。熱い魂を込めて作り上げられたものが放つロマンと、それが失われた時のエネルギーの落差とでも言うべき、「あれは何だったの?」感がお見事と言った感じ。読んだ後、プラモデルを作りたくなった。
「闇を裂く道」に続いて、氏の作品を購読しました。小説というより、記録物語と言えます。戦前の日本人の気質等、かなり興味深く読みました。
前半は武蔵が出来るまでが主。後半は戦闘と沈没まで。戦争本だけれど、意外にどろどろしていなかった。淡々と話が進んでいったからかもしれない。戦闘中での戦艦本は読んだことがあったけれど、戦艦が出来るまでの本を読んだことがなかったので面白かった。ただ、沈没までの描写は涙が出る。