福祉国家研究において、福祉国家はあくまでも国民国家を前提とした制度であり、これまで移民というアクターの存在は中心的なテーマとして扱われてこなかった。しかし、移民の増加によりこうした前提にたつ福祉国家はもはや維持されていない。本書はイギリスに焦点をあて、帝国主義の歴史が生み出すイギリス型移民レジームの独自性を明らかにするとともに、技能移民を対象に進む包摂の実態から、ポスト20世紀型の福祉国家と移民の新たな関係を考察する。
序 章 福祉国家論と移民
1 問題の所在
2 先行研究の整理と本書の位置づけ
3 目 的
4 分析の対象:イギリス福祉国家と医師の国際雇用
5 分析枠組み
6 構 成
第1章 福祉国家と移民をめぐる歴史と制度
1 イギリス型移民レジームの形成
2 20世紀型福祉国家とイギリス型移民レジームの変容
3 「新たな」移民の受け入れとイギリス型移民レジーム
小 括
第2章 福祉レジームが規定する移民の受け入れ
1 福祉レジーム論とイギリス福祉国家
2 福祉国家の政治経済と移民
3 福祉レジームの再編と移民
小 括
第3章 ニュー・レイバーのワークフェア改革と移民
1 ニュー・レイバーのワークフェア改革
2 ワークフェアと社会的包摂
3 ワークフェアと移民の社会的包摂
小 括
第4章 医師の国際雇用にみる福祉国家と移民
1 NHS創設の歴史と制度概要
2 20世紀型福祉国家におけるNHSとコモンウェルス
3 ポスト20世紀型福祉国家におけるNHSとコモンウェルス
小 括
終 章 福祉国家の脱国民国家化と新しい紐帯
1 20世紀型福祉国家の揺らぎと移民
2 結 論
3 本書の学問的含意
4 イギリスの独自性と比較の視座
5 今後の課題
参考文献一覧
あとがき
索 引
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