男たちの身勝手さを、一行で打ち砕く桐野文学の極北!
夫公認のもと、元恋人と自由な時間を過ごす妻を描いた表題作「もっと悪い妻」など、計六作の短編を収録。
「麻耶は大事だと思っている人が他にいるの?」
「いるよ。男でも親友になれるよ」
「それはそうだろうけれど。困ったな」
(「もっと悪い妻」より)
ネット上で〈悪妻〉と批判されることに悩むバンドのヴォーカルの妻を描いた「悪い妻」。
妻と離婚した後、若い女性にしつこく迫る壮年の男性の哀歓を伝える「武蔵野線」など、男と女のカタチを切り取った現代の「悪妻論」。
西加奈子さん(作家)推薦
不幸な「悪い妻」は許されるが、
満たされた「もっと悪い妻」は断罪される。
「妻」という呪いと、
「妻」を理想化する社会へのしたたかなカウンター。
レビュー(67件)
妻の知らない夫、夫の知らない妻。どうなんだろう。
桐野夏生には期待しすぎてしまう
惰性というとあれですが、昔から大ファンのために「内容云々ではなく桐野夏生という名」で買ってます。単行本と文庫、必ずセットで揃えてきました。40も過ぎた自分が、一気読みできる唯一の作家と言えると思います。 それを踏まえて言いますが、最近は本当に内容が薄くてがっかりします。今回もそう。なんならハズレとわかってて買う感じ。本書はボリュームのない短編集で、だからこそ一話一話にピリッと感じるものがほしいのに、それがない。オチも「で…?何が言いたいの?」ってのが多い。表題作なんてタイトルと内容がまるでマッチしてない。膝カックン。 著者のジオラマ(傑作)に感激し、それ以来どこかに行くときは必ず携帯している自分としては、昨今の作者の変化が悲しいし戸惑います。 新刊本なんて、現代において高級品です。 150ページちょいで1760円。それだけの価値が本書にあるのかは疑問。昔の作風に戻るのは難しいんだろうな。