〈手で書かれたものは動いた跡であり、手が筆記具を介して媒体に痕跡を残す。何世紀ものあいだ、人間はさまざまな道具や文字、媒体を使い、書くことで考えや知識を記録してきた。
私たちはいま、速さという誘惑に身を任せ、質や唯一性、物語といったものを犠牲にしている〉
書かれた文字の豊かさに魅せられ、自らも文字による表現の可能性を押し広げてきたイタリアのカリグラファー、フランチェスカ・ビアゼットン。長年の活動を通しめぐらせてきた思索と作品が一書となった。
人が文字を書く姿への慈しみにみちた、ビアゼットンからのメッセージ。
附録、ヴァチカンの書記たちが使ったカンチェッレレスカ体(イタリック体)の教本『ラ・オペリーナ』(1522)は必見。本邦初訳。
はじめに
第1章 (手で)書く、ゆえに(我)あり
第2章 筆跡は顔
第3章 紙、ペン、考えを選ぶ
第4章 書く時間は考える時間
第5章 子供の頃から書く
第6章 二本の手と十本の指
第7章 書き留める、写真を撮るのではなく
第8章 壁に書く
第9章 書かれたものに囲まれて
第10章 図が文になる
第11章 筆記用具
第12章 航海上の注意
おわりに
訳者あとがき
参考文献
注
附録 『ルドヴィーコ・ヴィチェンティーノによる小品(ラ・オペリーナ) カンチェッレレスカ体の書き方を学ぶために』(一五二二年)
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