かつて国鉄の機関区や客車区といった現場を訪れると、構内の外れにいささかくたびれた客車が1輌、ポツンと留置されている光景によく出くわした。これが救援車である。
災害や事故で本線が不通になると、復旧用の器材や人員を載せて、文字通り救援に駆けつけるのが使命である。反面、輸送が順調なら出番はなく、基地に留置されたままで数カ月から1年以上、全く動かないことも珍しくない。当然ながら、全車が改造車で、2度3度のお勤めを経て、廃車目前の古強者ばかりになる。種車は様々だから、形式は同じでも1輌ごとに外観はバラバラになる。
そんなクセのある車輌には、多くの車輌ファンが関心を寄せてきた。救援車は貨車、電車にも存在し、木造客車にも面白い車輌が多いが、今回は鋼製客車に絞り個性ある車輌の魅力を紐解く。
レビュー(2件)
マニアックな一冊
出自の兼ね合いで一両一両が異なる差異を持つ本系列について、出来る範囲でまとめた本の下巻になります。 完全な資料、とはいきませんが、概略などを知るには良い本かと思います。
戦災復旧客車が載っている後半
戦災復旧客車改造の救援車群が掲載されているので期待していた。 うーむ、内容としては若干不足を感じる。例えばスエ71 85の台車がTR23A(客車用)であるのに、言及が無いとか、スエ71 95の改造図面に、マニ71 2015を改造と明記されているのに、図面はマニ74を改造するものになっている矛盾とか、もう一歩突っ込んだ指摘もして欲しかった。 薄い本なので、限界はあるかと思うが、筆者が世代的に戦災復旧客車にあまり詳しくないのでは、という印象を持ったところが残念。その分星を一つ減らしたが、写真その他資料としては貴重なものも多数掲載されているので、そこは見応えがあると思える。