一読しましたが、ここまで、ロシアを擁護するとは最高です。ウクライナの独立を無視するとは最高です。 池上さんは、別の視覚も必要とのことですが、ロシアの擁護が本音では?小生の邪推であれば謝罪します。,読み始めて、頁を繰る手が停められなくなり、直ぐに読了に至った一冊だ。本書の場合、「凄く面白い小説」の「停まらない」とは少し違う意味合いで「停まらない」であったと思う。何方かと言えば「少数意見?」なのかもしれないモノの中に在る、真実のようなモノを示されるような気がする叙述が連続しているのである。 2022年2月のウクライナでの事態は、「ロシアによる侵攻」に他ならないので「ロシアは問題」とされ、そういう報じられ方の“一色”という感じだったと思う。それは概ね1年半を経ても大きくは変わっていないと思う。そうした中で「寧ろアメリカが問題」とするのは、既に「少数意見?」というように聞こえるような気がする。が、本書のエマニュエル・トッドは少し前から既にそういう趣旨の観方を示している。 本書はそのエマニュエル・トッドの談を、池上彰が“聞き手”として引き出す対談集のような内容である。フランスと日本とをオンラインで結ぶ対談を繰り返し、その内容を纏めている。 本書では、ウクライナでの事態をエマニュエル・トッドが既に「第三次世界大戦」と評していることを踏まえながら、簡単に収拾し悪い様相になっている世界の危機を論じていると思う。 国々の経済活動は、大局的に観て、何十年間かでその様相を変えて行く。今般、“制裁”の問題等で、ロシアが如何こうということに留まらず、方々の国々の様子が変容を強いられるような様子も既に見受けられることが本書の中で指摘される。そうした意味で事態は既に世界を巻き込んでいる。そして兵器の供給というような事も続くが、これは或いは“参戦”も同然であろう。結果、戦場となってしまったウクライナでの死傷者が増える一方である。 本書の中では、第一次大戦や第二次大戦のように、足掛け5年間程度は戦争状態が続いてしまうかもしれないというようにも指摘されている。そしてそれは「勝者無き戦い」に終始してしまうのかもしれないとも指摘されている。 こういうような「考える材料」は押さえておくべきだと思う。雑誌記事のように手軽に読める本書は御薦めである。
レビュー(23件)
一読しましたが、ここまで、ロシアを擁護するとは最高です。ウクライナの独立を無視するとは最高です。 池上さんは、別の視覚も必要とのことですが、ロシアの擁護が本音では?小生の邪推であれば謝罪します。
読み始めて、頁を繰る手が停められなくなり、直ぐに読了に至った一冊だ。本書の場合、「凄く面白い小説」の「停まらない」とは少し違う意味合いで「停まらない」であったと思う。何方かと言えば「少数意見?」なのかもしれないモノの中に在る、真実のようなモノを示されるような気がする叙述が連続しているのである。 2022年2月のウクライナでの事態は、「ロシアによる侵攻」に他ならないので「ロシアは問題」とされ、そういう報じられ方の“一色”という感じだったと思う。それは概ね1年半を経ても大きくは変わっていないと思う。そうした中で「寧ろアメリカが問題」とするのは、既に「少数意見?」というように聞こえるような気がする。が、本書のエマニュエル・トッドは少し前から既にそういう趣旨の観方を示している。 本書はそのエマニュエル・トッドの談を、池上彰が“聞き手”として引き出す対談集のような内容である。フランスと日本とをオンラインで結ぶ対談を繰り返し、その内容を纏めている。 本書では、ウクライナでの事態をエマニュエル・トッドが既に「第三次世界大戦」と評していることを踏まえながら、簡単に収拾し悪い様相になっている世界の危機を論じていると思う。 国々の経済活動は、大局的に観て、何十年間かでその様相を変えて行く。今般、“制裁”の問題等で、ロシアが如何こうということに留まらず、方々の国々の様子が変容を強いられるような様子も既に見受けられることが本書の中で指摘される。そうした意味で事態は既に世界を巻き込んでいる。そして兵器の供給というような事も続くが、これは或いは“参戦”も同然であろう。結果、戦場となってしまったウクライナでの死傷者が増える一方である。 本書の中では、第一次大戦や第二次大戦のように、足掛け5年間程度は戦争状態が続いてしまうかもしれないというようにも指摘されている。そしてそれは「勝者無き戦い」に終始してしまうのかもしれないとも指摘されている。 こういうような「考える材料」は押さえておくべきだと思う。雑誌記事のように手軽に読める本書は御薦めである。