「インドは都市にではなく,村落に生きている」というインド独立の父ガンディーの言葉をてがかりに,英語小説に描かれた村のなかに「インド」を探求する.インドに関する地域研究とポストコロニアルをはじめとする英文学研究の視点を取り入れた,わが国ではじめての包括的研究書.『不可触民』『葉っぱふたつに芽ひとつ』『マハトマを待ちながら』『パキスタン行の列車』『ふるいにかけられた甘露』『小さきものたちの神』など多数取り上げる.
序 章 「村からみるインド」
1.英語小説とインドの村
2.インドの言語状況
3.「ポストコロニアル:の視点
4.「村」の定義
第1章 村への目覚め: ガンディーによる「インド性」の発見と構築
1.異文化との出会いと母国へのまなざし
2.理想郷としての村
3.現実の村への旅立ち
4.「伝統」を紡ぎだす
5.村に派遣される青年たち
6.村におけるコミュナリズム
第2章 村との出会い:知識人としての作家の使命
1.英語小説を生んだ土壌
2.ムルク・ラージ・アーナンドー社会派作家の誕生
3.『不可触民』と『葉っぱふたつに芽ひとつ』そして『村』-社会の底辺を見つめて
4.ラージャー・ラーオーー哲人作家の登場
5.『カンタプラ』-伝統的社会の変容
第3章 村からの声:村人の主体性
1.R.K.ナーラーヤンー職業作家の軌跡
2.『マハトマを持ちながら』-村人の抵抗
3.『看板屋』-村人との対決
4.『ナーガラージーの世界』-村の新しい生活
第4章 引き裂かれる村:「村人」から「異教徒」へ
1.分離独立とコミュナリズム
2.クシュワント・シンー執筆への衝動
3.アーンチャリク・ウパンニャースの試み
4.ラーヒー・マースーム・ラザーー村が育てた作家
第5章 村の家族:支え合う生命
1.カマラー・マールカンダヤー物語の母として
2.アニター・デサイー子どもたちへのメッセージ
第6章 先祖たちの村:大地と物語に宿るルーツ
1.ニロド・C.チョウドゥリー親英派の知識人の生い立ち
2.V.S.ナイポールールーツを求めて
第7章 桎梏の村:自由の代償
1.アルンダティ・ロイー行動する作家の出現
2.『小さきものたちの神』
終 章 英語小説に託された「インド」
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