「魂が神宮球場から離れない」
4年間80連敗のまま卒部した副将は、そう呻いた。
二〇一九年に「創部百年」を迎える東大野球部は、日本野球のルーツというべき伝統を誇る。
戦火の中、沖縄に消えた英雄や、「赤門旋風」の主役たち、150キロ左腕宮台康平らへの徹底取材を通じて、謎を秘めた集団を解剖する。
野球の「本質」と、ひとつの目標に向かってひた走ることの「価値」を思い出させる渾身のルポルタージュ。
目 次
第一章 沖縄に散った英雄
第二章 栄光と敗北の歴史
第三章 伝説の最多投手
第四章 赤門旋風
第五章 連敗の苦悩
第六章 執念の連敗脱出
第七章 現われた怪物
第八章 苦闘の末に
第九章 悲願の勝ち点おわりに
レビュー(7件)
文武両道
あまりにも月並みなタイトルを付けてしまったが、他に考えられない。六大学で野球をやりたいものの、私学では無理だから東大へ行く。そんな高校生の話は聞いていたが、では、その東大野球部がどんな世界なのか。門田氏のノンフィクションはいつも、目の付け所が冴えていて、しかも文章が上手いから惹き込まれてしまう。尤も、野球に材を取ったノンフィクションと言えば、山際淳司氏の「江夏の21球」があり、これを越える作品は、ちょっと……