K大学文学部哲学科2年の陽子はマリーという犬を連れておばけの出そうな裏さびれた長屋にひっこしてくる。大家のおばあさんが付き合わない方がいいといった向かえの夫婦は暴力団関係だった。ある日、出入りしていた若者達也が小指をつめて帰ってくる。同情しながら陽子は達也が好きになる。大学の授業が難解で単調で冷静なのに比べ、長屋では次々と物騒なことがおこる。境遇のちがう人と接しながら、人は皆神様に選ばれて生まれたと思う。人間模様が面白く、生き生きと描かれている。陽子にとっては子供と大人の狭間の蝉が殻を脱ぐときの様に貴重な時間であった。神様の子!輝け!
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