70歳という年齢は,多くの人が本格的に体の機能の衰えを実感しはじめる年齢です。歳を重ねるごとに身体機能は衰えていきますが,それに反して,高齢者自身が感じている「主観的な幸福度」はけっして低くないといいます。
現在,老化現象のしくみや,110歳以上生きる人たち(スーパーセンチナリアン)の長寿の生活習慣などの研究が進み,老いがもたらす心理的な変化も明らかになりつつあります。そして,「老い」に対する有効な対策が得られつつあります。
老いは誰にでも訪れるものです。体が衰えるしくみや心の変化,老化を遅らせる運動や食事などを紹介する本書で,あなた自身や家族の老いについての理解が深めていただければ幸いです。
プロローグ
1 「老い」と体の変化
身体の衰え
皮膚の老化
骨と筋肉の老化
フレイル
目と耳の老化
消化器官の老化
免疫の老化
その他の器官の老化
細胞の老化
幹細胞の老化
睡眠
2 「老い」と,脳のはたらきの変化
脳の変化
知能
記憶 1〜2
意志決定
うつ病
認知症
物忘れと健忘症
睡眠と脳脊髄液
column 1 40 〜 50代の半数に,アルツハイマー病のきざし
3 「老い」のメカニズム
健康な高齢化
長寿遺伝子
スーパーセンチナリアン
長寿と心血管病
心臓と腎臓の血液循環
老化と細胞損傷
ゲノムの不安定性
BubR1遺伝子
食事制限と老化
テロメアの萎縮
プロテオスタシスの喪失
栄養感知の制御不全
ミトコンドリアの機能不全
細胞の老化
細胞間コミュニケーション
食事の多様性と認知症
家でもできる運動
column 2 日本一長寿なのは,47都道府県のどこ?
column 3 日本の高齢者の数的思考力
4 まだまだ若い70歳 「老い」と向き合う心
生物・心理・社会モデル
エイジング・パラドックス
ポジティビティ効果
パーソナリティ
プロダクティブ・エイジング
SOC 理論
column 4 「ベテラン」になっても輝きつづけるためには
老年的超越
主観年齢
column 5 高齢者の転倒は主観と客観のズレが原因?
column 6 実際の年齢と生物学的な年齢〜自分の老化時計を知る〜
マインドフルネス
精神的QOL
column 7 認知機能と意思決定の老いは資産寿命をちぢめる可能性も
5 未来の「老い」はどうなるか
老化の多様性
ゾウと老化細胞
GLS1遺伝子
ゲノムのダークマター
寿命の伸長
病気のモニタリング
アンチエイジング薬
老いのゆくえ
6 検査数値でみる「老い」の兆候
高齢者の基準値
検査数値を比較する
体重と血圧
自分に聞く
三つの予防
老化と歯周病
歯の健康を保つ
老化を遅らせる運動法
老化を遅らせる食事法
検査数値表のみかた
あなたの検査数値をチェック!
column 8 フレイルでも,安心できる社会を目指す
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