知恵の樹
: ウンベルト・マトゥラーナ/フランシスコ・J.ヴァレーラ
エネルギーや物質を環境から受け入れはするものの外部システムの作動には関知せず、自己は自身をもとに自らを創出するー本書は、システムが自分自身の組織を形成し変化させていく閉じた環のなかにとどまり、その循環をよき環としてとらえなおそうという、まったく新しい生物学の原理“オートポイエーシス理論”の初歩的で原理的な入門書。生物のあいだの円環を意識しながら、生命の世界に対するしなやかな感性と、生物を制御対象ではなく自律主体として見る柔軟な視線でとらえるこの認識論は、1973年、チリのアジェンデ政権下における知的沸騰のなかで生まれ、社会や法律、現代思想に大きな影響を与えた。
レビュー(15件)
日本では1987年に翻訳されたオートポイエーシスからみた生命論。有機的な機械論であり今の生命論から見ると少し違和感があると思うが、その説き起こそうとしている世界は今読んでもある種の興奮を引き起こす。