彼らはいつ、何を間違えてしまったのか
完璧だったはずの犯罪計画を、
死神めいた警部が打ち崩す
〈刑事コロンボ〉の衣鉢を継ぐ、
大人気倒叙ミステリシリーズ最新刊!
あなたのことは、最初から疑っていました──漫画家を殺してしまった担当編集者、悪徳芸能プロモーターを手にかけた歌謡界の“元”スター、自分を裏切った腹心の部下に死の鉄槌を下した人気タレント文化人、過去を掘り返し脅迫してくる同僚の口を封じた美大予備校の講師。彼らは果たして、いつ、何を間違えてしまったのか。罪を犯した者たちの前に死神めいた警部が立ちはだかる。解説=千街晶之
■収録作品
「愚者の選択」
「一等星かく輝けり」
「正義のための闘争」
「世界の望む静謐」
レビュー(6件)
キャラのゴリ押し
シリーズ物の倒叙ミステリーは小説に向いていないのではないかと思い始めている。 なぜなら事件そのものは明示されているので、探偵役のキャラクターが肝になってくるからだ。映像ならコロンボや古畑など、愛すべきキャラクター像を描けるが、小説は文章だけなので難しい。キャラを立てようとすればするほど押しつけがましくなり、滑ってしまう。シリーズ物の倒叙ミステリーがつまらないのは、ここに原因がある。 この乙姫警部も例に漏れず、失敗している。登場するたび、地獄の・・・とか喩えているが、イマイチそのイメージもピンとこないし、いちいち描写されるのがくどすぎる。作者だけが面白がっているようだ。 事件も1つ目と2つ目は衝動殺人だし、3つ目も4つ目も犯行の段階から粗だらけで不自然なので、べつに乙姫警部じゃなくても普通の捜査で逮捕できるのではないだろうか。 おもしろければ前作も買おうと思っていたが、当然やめた。
いずれの犯人も実によく喋ります。話せば話すほどボロが出やすくなるのだから、可能な限り黙っているのが得策のハズ。しかも自分が疑われていることに薄々気付いていながら、です。あまりにも狡猾さに欠けていて、もの足りなさが残ります。