読者を専門家に限定したほうが書きやすい。しかし、専門用語に安易に依存してしまい、緻密に思索することを促さないという陥穽がある。…我々が思索するときに日常的に用いる言葉で表現することにより、儒教思想、とりわけ陽明学の遺産に関心を持っていただき、開かれた知の広場で、その歴史的な意味と今日的な意義を共に考えてほしかった。なによりもわたし自身がそのことに挑戦してみたかった。本書に収めた「読み物」がはたして読者の関心に響きあうものか否か、初心に帰って、未知の読者に試されてみようというのが偽らざる心境である。
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