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「ヒグマの聖地」である北海道に流入していった人間たちとヒグマとの凄絶な死闘をもとに、近代化の歪み、そして現代社会の矛盾を炙り出す。 膨大な資料から歴史に埋もれた戦前のおびただしい北海道の人喰いヒグマ事件の数々を発掘し、なぜヒグマは人を殺すのか、人間はヒグマや自然に何をしてきたのか、という問いを多角的に検証する労作! 北海道で幕末以来に発生した人喰いヒグマ事件をデータ化し、マッピングした「人食い熊マップ」も掲載! (目次 序 章 歴史に埋もれた人喰い熊〜上川ヒグマ大量出没事件 第一章 明治初期の人喰い熊事件〜石狩平野への人間の進出 第二章 鉄道の発展と人喰い熊事件〜資本主義的開発とヒグマへの影響 第三章 「枝幸砂金」と人喰い熊事件〜ゴールドラッシュの欲望と餌食 第四章 凶悪な人喰い熊事件が続発した大正時代〜三毛別事件余話と最恐ヒグマの仮設 第五章 軍事演習とストレスレベルの関連性〜大正美瑛村連続人喰い熊事件 第六章 受け継がれる人喰い熊の「DNA」〜北見連続人喰い熊事件 第七章 十勝岳大噴火〜天変地異とヒグマの生態系との関連 第八章 炭鉱開発と戦中戦後の人喰い熊事件〜封じ込められたヒグマの逆襲 第九章 樺太〜パルプ事業の拡大と戦慄の「伊皿山事件」 おわりに 現代社会にヒグマが牙を剥きはじめた
レビュー(13件)
今まで何冊もヒグマの本を読んできましたが北海道開拓の歴史からヒグマとの遭遇や死亡事故など、古い資料から取り纏められていると思います。初めて読む事故例も数多くありました。非常に参考になりました。
良さそうです
身近では考えられない事故が多発しているニュースを見て、なぜ事故が起こってしまうのか?疑問に感じ、購入しました。まだしっかりと読んでいないので楽しみです。
北海道の開拓時代、数多のの開拓民が人食い熊の犠牲になった。 それは自分らのテリトリーを侵す開拓者への復讐だということは想像に難くない。 しかし膨大な新聞の記事から該当の事件を拾い集め、地図上にマッピングし、 当時の北海道の開発の状況と相関付けて緻密に分析した著作を私は他に知らない。 作者にはいつか羆の視点から見た北海道開拓史をフィクションで描いてもらいたいと思う。