経済危機に陥ったEU加盟国に対し、ドイツは多額の救済資金を注入した。債務不履行による甚大な被害を避けるため、債務国はその要求を受け入れたが、ドイツの経済的支配の強化を招くことになる。EU参加国の経済健全化を図るという名目の下、間接的には財政主権という、ドイツの国家主権への介入が行われつつある。本書は、EUへの経済支配が政治支配に深化し、“帝国”として聳え立ちつつあるドイツの冷戦後の発展を検証する。
はじめに
序 章 現代における帝国とはなにか
1 ネグリ・ハートのいう“帝国”
2 経済連邦制とはなにか
3 「規制帝国」としてのEU
4 現代の「各人と各人の戦争」
5 現代ドイツ“帝国”の成立
第1章 後発型産業革命とファシズム
1 後発型産業革命と重化学工業
2 世界大恐慌とファシズム経済
3 戦争・戦後責任と過去の克服
第2章 冷戦体制と欧州統合の進展
1 米ソ冷戦体制への移行
2 ヨーロッパ統合の進展
3 通貨統合の実現
第3章 戦後ドイツ経済とドイツ再統一
1 戦後の西ドイツ経済
2 社会的市場経済原理と経済運営
3 東西ドイツの再統一
4 脱原発と現代のドイツ経済
第4章 資産バブルの崩壊と債務危機
1 日米欧の連鎖的バブル
2 バブル崩壊と欧州債務危機
3 ユーロと財政・金融危機
第5章 経済支配の政治「支配」への深化
1 ヨーロッパのドイツと軍事
2 ドイツのEU政治「支配」
3 極右台頭とドイツ“帝国”の成立
索 引
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