移民史研究の必読書
本書はアメリカの移民史を、それぞれの出身地域とつながりを保ちながら構築したネットワークや、移民自身の経験・語りというミクロなレベルと、アメリカの外交政策や国際関係というマクロなレベルの両方の視点から検証し、両者の関係性を分析した画期的な研究書である。
これまでアメリカの移民史は国民国家の枠組みの中で語られ、個人のネットワーク・経験・語りと、国策としての移民法や、その背景にあるアメリカの外交史、国際関係は、別々に研究されてきた。
しかし、長年学界をリードしてきた著者は、移民が構築するネットワークとアメリカの世界戦略、対外政策が交差するところに焦点を当て、越境的かつグローバルなかたちで展開する移民の経験・語りとアメリカの外交・移民政策を並列して分析する。この研究視角により、アメリカの移民史を国際関係の複雑な文脈の中に位置づけることに成功したと言ってよい。
出版されるやいなや、本書は学界やメディアから高い評価を受け、2013年、移民史研究分野で最も優れた書籍に対しアメリカのエスニックヒストリー協会から贈られる「セオドア・サロートス記念出版賞」を受賞した。
まえがき
序論
第一章 孤立か、独立か? 一八五〇年以前のアメリカの移民
第二章 移民の外国とのつながりの発見とアメリカ帝国 一八五〇〜一九二四年
第三章 移民と移民制限ーー危険な世界での保護 一八五〇〜一九六五年
第四章 移民とグローバル化 一九六五年から現在まで
結語 「故国と忠誠を変更する、人の譲ることのできない権利」
訳者あとがき
付録 さらに読み進めたい読者のための文献目録
原注
索引
レビュー(0件)