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2022年5月、夫・叶井俊太郎の「顔や体が黄色くなる」ことから始まった、私たち家族と「すい臓がん」の記録。いまの日本において、「抗がん剤を打たない」という選択はとても少ないなか、叶井は抗がん剤を一切からだに投与することなく1年9カ月を生きた。 くらたまは言う。「自分の命や人生の在り方を決めるのは本来自分自身のはず。でも日本では一旦がんを発症すると自分の死に方、生き方が全部医者に丸投げになってしまうケースがほとんど。そうじゃない生き方ができること、何をして何をしないか自分で決めてもいいことに気付いて欲しくて筆をとりました。“自分で選べる”って当たり前のことを、知らないままの人が多いんです」。 “がんの王様”とされるすい臓がんにかかりながら、抗がん剤治療を受けなかった夫は、どのように生きたのか……まだどこにもそんな例がとりあげられていないなか、確固たる意志を貫いた生き様を、貴重すぎる家族の記録を、妻である倉田真由美が、自分の言葉で綴った640日間。
レビュー(6件)
どのガン闘病記よりも本人が元気
抗がん剤はしないという意志を貫き、発見時4cmのすい臓がんとしては長い1年9ヶ月を生き抜いた夫を妻の視点から見た貴重な記録です。 私は闘病記や闘病ブログを沢山読んできましたが、抗がん剤等の治療に励みながらも同じ位の期間で亡くなってしまった方々よりも苦しむ期間が圧倒的に短いな、と思いました。だいたい抗がん剤されてる方々は闘病期間の半分、下手したらずっと副作用に苦しまれてるので。 なんせ亡くなる前日に自力でお風呂に入り、11日前に雪の降る中自転車に乗ってるのです。腹水がたまり始めてから2ヶ月で亡くなるのは他の方々と全く同じですが、治療してきた方々は最後の2週間程は寝たきり状態になる事が多いです。 やっぱり抗がん剤してないから体力がギリギリまで残るのかなと思いました。ある意味ピンピンコロリのような、個人的には理想の亡くなり方でした。 日本は治療において本人の意志を蔑ろにしすぎだと常々思っていました。この貴重な記録が世に出る事で、生き方も死に方も自分の意志によってのみ選択できる社会に近付く事を願います。
こんなに仲の良い夫婦なのに、もうお別れなのかと残念です とても読みやすく、一気に読んでしまいました 抗がん剤を使わないでいると、おすすめされるいろんな体にいいもの、それが辛いという記述もあり、友人にガンの人がいる人は読んでおくのがいいと思いました