ジャン・ピアジェの名前ほど教育学や発達心理学などの分野で世界的によく知られている研究者はほかにいない。本書の意図は、諸科学にまたがったピアジェ理論の主張を介して、そこにある捉え方の基本となるもの、すなわち思想を抽出し、できるだけ平易に紹介することにある。研究の細部に入り全体像や本質論を見失うことも、逆に具体的研究を無視し概念的分析だけでピアジェを評価することも極力避け、発生的認識論学者として「誠実」に生きようとした一人の科学者が具体的に何を、どのように考え、何に立脚していたのかをいささかなりとも明らかにすることに視点をおいた。
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