「尊厳」は人権言説の中心にある哲学的な難問だ。概念分析の導入として西洋古典の歴史に分け入り、カント哲学やカトリック思想などの規範的な考察の中に、実際に尊厳が問われた独仏や米国の判決などの事実を招き入れる。なぜ捕虜を辱めてはいけないのか。なぜ死者を敬うのか。尊厳と義務をめぐる現代の啓蒙書が示す道とは。
日本語版への序文
序
第一章 「空っぽ頭の道徳家たちの合い言葉」
一 たわごと?
二 キケロとそれ以降
三 カント
四 優美と尊厳
五 尊厳と平等
六 ヒエラルキー
七 権利を敬うことと、敬われる権利
第二章 尊厳の法制化
一 尊厳ある小びと
二 ドイツ
三 カント的な背景ーー人間性の定式
四 カトリック思想とドイツ連邦共和国基本法
五 ドイツ連邦共和国基本法を解釈する
六 ダシュナー事件と航空安全法
七 一貫した解釈はあるか
八 主意主義
九 結論
第三章 人間性に対する義務
一 人間主義
二 功利主義者の応答
三 外在主義
四 人間ではないものが、内在的に善きものであるかもしれない
五 義務
六 カント
七 プラトン主義なき義務
原 注
訳者あとがき
索 引
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