わが国初のミミズの図鑑。
ミミズは貧毛綱に属する動物の総称で、そのはたらきについては古くから知られていたが、生物研究の基礎ともいうべき分類・生態については未だ未知の部分が多い。日本に生息するミミズは主にフトミミズ科、ツリミミズ科、ジュズイミミズ科に属し、うち95%以上をフトミミズ科が占め、その種数は500以上と推定されているが、名前のついているのは1割程度にすぎない。このような現状にあって、実際に使える図鑑として種名同定の方法、手順のポイントをわかりやすく紹介したのが本書である。
1.「第1部ーミミズの名前を調べるために」は種名を調べるための手引きで、採集場所や方法、体長・体型・体色、外部形態、内部形態、生育層など主としてフトミミズ科の同定に必要な情報を中心に構成されている。
2.「第2部ーミミズの解説」は生態写真、標本写真、解剖図を使って種を解説し、本書の根幹をなす部分である。
3.「第3部ーミミズの生態」は生態の解説。フトミミズの表層・浅層・深層への棲み分け、摂食、交接、産卵、ふ化、土壌の団粒構造形成に大きく関与するはたらき、まとめとしてのミミズの一生によって構成されている。
4.「第4部」ではフトミミズの採集法、標本作成法(麻酔・固定)および標本保存法などミミズ研究に必要なテクニックを解説する。さらにフトミミズ科の分類に重要な形態とその変異性についても資料で解説している。
目次
はじめに
本書での掲載ミミズ一覧
本書を利用するに当たって
ミミズという動物は
【第1部】
ミミズの名前を調べるために
日本産陸生大型ミミズ3科(フトミミズ科、ツリミミズ科、ジュズイミミズ科)の同定法と検索
[陸生大型ミミズ3科の外部形態比較一覧表]
フトミミズの形態と各部の名称 [外部形態][内部形態]
フトミミズ科の種名を調べる(同定)ために必要な情報
1. どこで、どのようにして採集したかー採集した場所や採集方法
2. ミミズの体長、体型、体色
3. 外部形態を調べる
(1)雄性孔(第18体節)があるかどうか
(2)性徴があるかどうか、型状は、位置は
(3)外部標徴があるかどうか、型状は、位置は
(4)受精嚢孔の対数は、位置は
4. 内部形態を調べる
(1)腸盲嚢の形態より調べる
(2)生殖腺を調べる
(3)受精嚢を調べる
(4)貯精嚢の大小、摂護腺の有無を調べる
生息層と腸盲嚢および他の形質、生態との関係
【第2部】ミミズの解説(種名については本書での掲載ミミズ一覧参照)
フトミミズ科
本書掲載フトミミズの識別表
コラム・日本産フトミミズ属の分類学研究史
コラム・フトミミズ属の標高別分布
ツリミミズ科
ムカシフトミミズ科
ジュズイミミズ科
【第3部】ミミズの生態
ミミズのいる場所:フトミミズは棲み分けをしている
ミミズの摂食
コラム・ミミズの巣
ミミズの交接(交尾)
ミミズの放卵(産卵)・ふ化
●フトミミズ科の卵包形成と放卵
●ツリミミズ科の卵包形成と放卵
●卵包
●ふ化
ミミズは土をつくる
ミミズの一生
●ミミズの一生には生息層に関連したいくつかのタイプがある
●一年生ミミズと越年生ミミズのタイプがある
【第4部】 採集法、標本作成法(麻酔・固定)、解剖法、標本保存法
フトミミズの採集法
(1)表層種
(2)浅層種
(3)深層種
(4)採集したミミズの保存法
標本作成法(麻酔・固定)および標本保存法
(1)水洗・麻酔
(2)固定法
(3)標本保存法
(4)解剖法
資 料
フトミミズ科の分類に重要な形態とその変異性
[外部形態][内部形態]
日本産フトミミズ属の記載種リスト
ミミズの参考図書・参考文献
索 引(和名・学名)
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