自然のうちに人生を見、人生のうちに自然を見る
「日本自然主義文学」を〈「自然」をめぐる近代思想〉という新たな視点から読みかえる。
〈自然〉とは、実体としての「自然」ではなく、自他の境界をいったん無化し、再編成するーー類化を促す機縁あるいは環境であり、またその手段でもある。
[目次より]
序章 思想としての〈自然〉
第一章 自然としての人生
-徳冨蘆花『自然と人生』と無常観の近代
第二章 田舎教師の復讐
-田山花袋『田舎教師』における自己肯定の方法
第三章 初期『中学世界』における〈文学〉の再編成
-「中学=世界」への参与と逸脱
第四章 「文章=世界」を生きる中学生たち
-『中学世界』から『文章世界』への移行
第五章 〈自然〉のインターテクスチュアリティ
-田山花袋はニーチェをどう読んだか
第六章 精神主義は自然主義である
-清沢満之と田山花袋、あるいは他力思想としての自然主義
第七章 修養と自然
-青年の変容と中年の誕生
第八章 Kとは誰のことか
-KとT、あるいは独歩と花袋
第九章 自然のコンポジション
-田山花袋『時は過ぎゆく』の構図と構成
終章 〈自然主義〉の現在と未来
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