遠藤文学全体に貫流する、移動をめぐるポストコロニアル的問題の諸相を作品文脈に即し精緻に読解・分析。従来の研究の枠組みを問い直し、世界に開かれた文学としての遠藤文学の新しい読みを提示する、若き研究者によるみずみずしい文学論。
序 章
第一部 フランス留学と一九五〇年代──出発点としての移動文学
第一章 フランスへ/フランスからの移動──『アフリカの体臭』『アデンまで』から見る
第二章 移動と交錯──『白い人』と一九五〇年代
第三章 越境する人、流動する時間──『青い小さな葡萄』を読む
第二部 戦争とアイデンティティ──集団と個人の軋轢をめぐって
第四章 戦争文学としての『海と毒薬』
第五章 『留学』という旅──異文化交流とアイデンティティの諸問題
第六章 『沈黙』をめぐる考察──集団・周縁・アイデンティティ
第三部 旅する人の思索──境界を越えてゆく物語
第七章 巡礼の旅──『死海のほとり』における暴力と聖なるもの
第八章 移動と欲望の物語──『侍』を読む
第九章 克服する道、境界を越えていく──『深い河』を読む
終 章
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