80パーセント以上の陸上植物は菌根菌という菌類(カビの仲間)と共生している。
菌根菌が土の中に張り巡らせた菌糸で集めたリンやミネラルを植物に渡し、
植物が光合成で作ったカーボンを菌に渡すというパートナーシップは、
植物が陸上進出した4億5000万年前から続いていると考えられている
しかしこの関係は、自分に利益をもたらさない相手には容赦なく制裁を加えたり、
相手をだますことで「寄生」したりするシビアさももっているのだ。
次々に版を重ねている『菌根の世界』につづき、
菌と植物のきってもきれない関係を気鋭の研究者12名が
全10章とコラムでさまざまな角度から描き出す。
レビュー(2件)
本書は、自然における菌根をろくに調査せず、事実と間違っている内容が非常に多い。例えば、1)アブラナ科植物、カヤツリグサ科植物などにも菌根が形成される。2)ストリゴラクトンは菌根共生の鍵となる物質ではない。菌糸の分岐促進などの現象はエチレンによる働きである。またペプチド、アミン類なども菌根共生の鍵である、3)コアツツジ科の表皮は「根毛を形成しない」と述べているが、走査型電子顕微鏡を用いて観察しなさい、4)脂肪酸がアーバスキュラー菌根菌(AMF)の増殖に関与するという発見者の論文を引用しなさい、5)AMF胞子内やその周辺には窒素を固定する細菌がいることを無視して、根粒共生と菌根共生との関連は述べられない、6)自然界ではAMFと他の菌根菌あるいはDSEとの同時共生がみられるが、これの事実が全く無視されている、7)前書「菌根の世界」と同じく、今回の書も執筆者にとって都合の悪い、他の先駆者、発見者の論文を全く引用しない、などが挙げられるが、特に今回は酷い。 以上、執筆者の中には真摯に研究した成果を記載している者もいるが、執筆者の多くは論文の偽装や盗用を行った、あるいは疑われる行為を行った学者・研究者であるので、菌根を学ぼうとする人には参考にならない悪書である。ただ、偽装や盗用を見抜く力を得たいと思う人にとっては良書と言えるでしょう。