登場人物は低俗なのに主題は難解

会話劇の様相で登場人物みんな俗な人々。中心人物の整形外科医は、頭脳も美貌も持ち合わせている、まるで感情移入出来ない女医。なのにテーマは深い。自殺した10代の少女は、大好きな育ての母を守るために痩身手術を受けるが、それが養母の、産みの母親から夫と娘を奪いとったのではないかという罪悪感を呼び起こしてしまう。義理の母子間の揺るぎない愛情が、ロミオとジュリエットの誤解のように、お互いを殺し合ってしまうこれ以上無い悲劇。 しかし最後に養母が女医に言う、「あなたの魔法の力で、私の欠けているものを全部ちょうだい」とは、何を意味するのか。難しい。娘と同じ痩身手術を私にも施して生まれ変わらせてよ、と言うことなのか?整形手術に依存する変身願望のスタートなのか。分からない。深い。さすがイヤミス女王。